「サーバー」とは、データや情報など「特定のサービス」を提供するコンピューターのことです。
「プロバイダ」とは、回線をインターネットに接続する事業者を指します。
サーバーとプロバイダは意味も役割も全く異なる用語です。
この記事では、サーバーとプロバイダの意味や役割の違いについて、初心者向けに分かりやすく解説します。
サーバーとは?データや情報など特定のサービスを提供するコンピューター
サーバーとは、データや情報など「特定のサービス」を提供するコンピューターのことを指します。
サーバーといっても色々な種類がありますが、以下で紹介する3つのサーバーがもっとも身近なサーバーでしょう。
Webサーバー:Webサイトを管理するサーバー
Webサーバーは、Webサイトを管理するためのサーバーです。
Google Chromeなどのブラウザを使うことにより、インターネットを通じてサーバーに保管されているWebサイトを閲覧することができます。
メールサーバー:メールの送受信を行うためのサーバー
メールサーバーは、電子メールの送受信を管理するサーバーです。
メールサーバーは、ユーザー同士がメールを送受信できるようにし、メールの配送経路を制御します。
メールサーバーには、送信専用のSMTPサーバーと、受信専用のIMAPサーバーとPOP3サーバーがあります。
データベースサーバー:データベースを保管するためのサーバー
データベースサーバーは、データベースを管理し、ユーザーがデータを保存、取得、操作できるようにするサーバーです。
例えば、Amazonや楽天市場のようなECサイトでは、商品の情報やユーザーの購入履歴がデータベースサーバーに保存されています。
プロバイダとは?回線をインターネットに接続する事業者のこと
プロバイダとは、「インターネットサービスプロバイダ(Internet Service Provider。略して「ISP」ともいう)」の略語であり、回線をインターネットに接続する事業者のことです。
インターネットを利用するためには、回線の契約とプロバイダの契約の両方が必要になります。
ただし最近では回線とプロバイダがセットになっていることが多く、わざわざプロバイダを個別に契約することはほとんどありません。
以前までのプロバイダは、メールアドレスやホームページ作成サービスなどを提供することが多かったです。
メールアドレスの提供
プロバイダは、独自ドメインを使ったメールアドレスを提供しています。
このメールアドレスはプロバイダが運営するメールサーバーによって管理されており、メールソフトやウェブメールを使うことメールの送受信が利用可能です。
ホームページ作成サービスの提供
ホームページ作成サービスを提供しているプロバイダもあります。
個人用のブログとして利用したり、お店や趣味のホームページとして活用することが可能です。
ただし、最近はホームページを利用する人が減ってきていることもあり、ほとんどのプロバイダがホームページ作成サービスの提供を終了させています。
セキュリティ(ウイルス対策)サービスの提供
インターネットを利用する上で大切な、セキュリティ(ウイルス対策)サービスの提供を行っているプロバイダも多いです。
プロバイダによって有料の場合もありますが、迷惑メールをブロックしたり、スパムサイトのフィルタリングサービスなどを提供している場合もあります。
自作サーバーとレンタルサーバーの違いは?メリットとデメリットを解説
サーバーには、自作サーバーとレンタルサーバーの2種類があります。
自作サーバーは、ハードウェアやソフトウェアを自由にカスタマイズでき、データ管理も自身で行うことができますが、初期費用が高く専門知識やメンテナンスの手間が必要です。
一方、レンタルサーバーは初期コストを抑えて手軽に利用開始できメンテナンスも不要ですが、カスタマイズに制限があったり、リソースを他ユーザーと共有するためパフォーマンスやセキュリティに制約があったりします。
利用目的や自身の技術力に応じて、適切に選択することが重要です。
自作サーバーのメリット5つ
自作サーバーのメリットは、全部で5つです。
- カスタマイズしやすい
- 用途に合わせて設計できる
- ランニングコストを抑えられる
- データの管理がしやすい
- ITスキルや問題解決能力の向上ができる
カスタマイズしやすい
自作サーバーであれば、CPU・メモリ・ストレージなどのハードウェアを自由に選ぶことができます。
高速な処理を必要するサーバーを作る場合は高性能なCPUを選び、データベース運用のサーバーには大容量のメモリやストレージを搭載する、といった使い分けが可能です。
また、ソフトウェアに関しても、要件に合わせてOSやアプリケーションを自由にインストールできます。
用途に合わせて設計できる
サーバーの種類によって、必要となる設計が異なります。
自作サーバーであれば、Webサーバーやメールサーバーなど、用途に合わせて設計可能です。
過大スペックになるリスクを抑えられます。
ランニングコストを抑えられる
自作サーバーは初期投資が高くなりがちですが、レンタルサーバーのような月額料金が不要なため、ランニングコストを抑えることが可能です。
必要に応じてハードウェアを追加することができるため、サーバーの性能を柔軟に向上させることができます。
データの管理がしやすい
自作サーバーでは、データの保存場所や管理方法を自分で決めることができます。
第三者の管理下に置かれることがないため、個人情報が覗かれる心配もありません。
ITスキルや問題解決能力の向上ができる
自作サーバーを構築・運用する過程で、ハードウェアやネットワーク、セキュリティに関する実践的な知識やスキルを習得できます。
また、サーバー運用中に発生するトラブルや問題に自ら対応することで、問題解決能力の向上も可能です。
自作サーバーのデメリット5つ
自作サーバーのデメリットは、全部で5つあります。
- 初期投資が高額になる
- 高度な専門知識が必要になる
- メンテナンスに手間がかかる
- システムやスペックが拡張しにくい
- セキュリティのリスクが常にある
初期投資が高額になる
自作サーバーの最大のデメリットは、初期投資が高額になることです。
サーバー機器や関連するハードウェアを購入するための費用が必要で、特に高性能なパーツを選ぶ場合、かなりの出費となります。
高度な専門知識が必要になる
自作サーバーの構築や運用には、高度な専門知識が求められます。
ハードウェアの選定や組み立て、ソフトウェアのインストールと設定、ネットワークの構築など、多岐にわたる技術的なスキルが必要です。
このため、初心者にはハードルが高く、自作サーバーを運用する知識を習得するには膨大な時間がかかることがあります。
メンテナンスに手間がかかる
自作サーバーは、運用中に発生する問題やトラブルに対して、全て自分で対応する必要があります。
ハードウェアの故障やソフトウェアのバグ、セキュリティの脅威など、定期的なメンテナンスやトラブルシューティングなど、毎日のように監視と対応が必要です。
また、24時間365日の稼働を維持するためには、定期的なバックアップやソフトウェアの更新作業も欠かせません。
システムやスペックが拡張しにくい
一度構築したサーバーのシステムやスペックを途中で変更することは簡単ではありません。
すでにあるサーバーを拡張するのではなく、一から新しく構築しなおすケースが多いです。
手間や費用が余計にかかってしまいます。
セキュリティのリスクが常にある
自作サーバーでは、セキュリティ対策も自分で行う必要があります。
ファイアウォールの設定やウイルス対策、セキュリティパッチの適用など、常に最新の状態を維持しなければなりません。
また、故障や盗難といった物理的なトラブルへの対策も必要です。
セキュリティに関する専門的な知識がない場合、脆弱性をついたサイバー攻撃によるデータ漏洩などのリスクが高まります。
レンタルサーバーのメリット4つ
レンタルサーバーのメリットは以下の4つです。
- すぐに利用開始できて、管理が簡単
- 初期コストを抑えることができ、契約途中でのプラン変更も可能
- ハードウェアやセキュリティのメンテナンスが不要
- 24時間体制での保守管理サポートとデータの自動バックアップで安心して使える
すぐに利用開始できて、管理が簡単
レンタルサーバーは、契約後すぐに使い始めることができます。
手間のかかる初期設定は不要で、技術的な知識もほとんどいりません。
管理パネルから必要な機能をインストールしたり、設定の変更をしたりなど、誰でも簡単に操作できます。
操作マニュアルが用意されていたり、サポート体制が整っていたりするので、初心者でも気軽に使い始めることが可能です。
初期コストを抑えることができ、契約途中でのプラン変更も可能
レンタルサーバーは初期費用が安く、月額料金もそれほど高くなりません。
自作サーバーのような高額な初期投資が不要なので、低コストでサーバーを利用開始できる点が大きな魅力です。
また、トラフィックが増加した場合や用途が追加された場合など、必要に応じてプランを変更することもできます。
ハードウェアやセキュリティのメンテナンスが不要
レンタルサーバーでは、ハードウェアのメンテナンスは事業者が行います。
サーバーの故障やネットワークのトラブルが発生しても、事業者が迅速に対応するため、自分で行うことは何一つありません。
また、セキュリティに関する対策もすべて事業者が行うため、サーバーを安全に利用できます。
24時間体制での保守管理サポートとデータの自動バックアップで安心して使える
レンタルサーバーの事業者は、24時間体制でサーバーの保守管理サポートをしています。
また、個別の相談にものってもらえるので、技術的なトラブルが発生した際も安心です。
多くのレンタルサーバーは、定期的にデータのバックアップを行っています。
ハードウェアに障害が発生した場合でもデータが保護されるため、サービスの継続性が確保されます。
レンタルサーバーのデメリット4つ
レンタルサーバーのデメリットは全部で4つです。
- カスタマイズに制限がある
- リソースを共有するためパフォーマンスやセキュリティのリスクがある
- データの管理が事業者任せになってしまう
- トラブル時の対応が遅い場合がある
カスタマイズに制限がある
レンタルサーバーでは、契約するプランによってスペックや利用できるシステム(ソフトウェアなど)が固定されているため、用途にあったプランを自分で探さないといけません。
特定の用途に最適化された構成を持つレンタルサーバーがない場合もあります。
リソースを共有するためパフォーマンスやセキュリティのリスクがある
多くのレンタルサーバーは複数のユーザーで同じリソースを共有しています。
そのため、他のユーザーが管理するサーバーのトラフィックが増加すると、自分のサーバーのパフォーマンスが低下し、表示速度が遅くなったり404などのエラーが起きたりする可能性があるのです。
また、他のユーザーがセキュリティ上の問題を引き起こすと、自分のサーバーにも影響が出て、最悪の場合にデータの消失や個人情報の流出につながるかもしれません。
データの管理が事業者任せになってしまう
レンタルサーバーでは、データの保存場所や管理方法が事業者に依存するため、自分でコントロールできません。
データのバックアップは事業者に依存していることが多く、自分で設定できない場合があります。
トラブル時の対応が遅い場合がある
サーバーに何かしらトラブルが起きた場合、基本的には事業者に頼るしかありません。
深夜や休日の場合は事業者によって対応が遅れることがあり、大きな損害につながる可能性があります。
このように、自作サーバーとレンタルサーバーにはそれぞれのメリットとデメリットがあります。
利用目的や予算、技術的な知識に応じて、最適な選択をすることが重要です。
初心者でも失敗しないレンタルサーバーの選び方
失敗しないレンタルサーバー選びのポイントは、次の4つです。
- 用途を明確化する
- 必要なスペックを確認する
- 料金を比較する
- セキュリティ面が充実しているかどうか確認する
用途を明確化する
レンタルサーバーを選ぶ際には、まずその用途を明確にすることが重要です。
ウェブホスティング、メール、データベース管理など、用途によって最適なサーバーのスペックや機能が異なります。
必要なスペックを確認する
レンタルサーバーの性能は、CPU、メモリ、ストレージ容量などのスペックによって決まります。
利用するサービス(用途)やトラフィック量に応じて必要なスペックを確認し、将来的な拡張性も考慮して選定することが大切です。
料金を比較する
レンタルサーバーは、事業者によって料金プランが異なります。
長く使うことになるので、できるだけ安価に利用できる事業者を選ぶといいでしょう。
セキュリティ面が充実しているかどうか確認する
レンタルサーバーの選定において非常に重要なのが、セキュリティに関するサポート内容を確認することです。
料金の安さだけで選んでしまうと、データの損失や個人情報の流出につながってしまうおそれがあります。
ファイアウォールの設定やウイルス対策ソフト、定期的なバックアップなど、セキュリティ面でのサポートが充実しているレンタルサーバーを選びましょう。
JSNでは、初心者でも簡単に使えるレンタルサーバーを20日間無料で提供しています。
「レンタルサーバーってどんなものなのだろう?」と興味を持っている人は、ぜひJSNのレンタルサーバーをお試しください。
初心者でも失敗しないプロバイダ(インターネット回線)の選び方
最近は、プロバイダだけ別で契約する機会がほとんどなくなりました。
「プロバイダ選び」という概念がなく、ほぼ同じような意味として「インターネット回線選び」という言葉を使うほうが多いです。
ここでは、初心者でも失敗しない「インターネット回線選び」の方法を解説します。
インターネット回線の種類を理解して選定する
インターネット回線の種類は大きく分けて、光回線・ホームルーター・ポケット型WiFiの3つになります。
自作サーバーを運用するにあたっては、高速かつ安定した接続が可能な光回線がおすすめです。
それぞれの特徴を理解して、自分にあった回線を選びましょう。
光回線
光回線は、光ファイバーを使用した高速インターネット回線です。
高速で安定した接続が可能なので、大容量のデータ転送や高画質のストリーミング、オンラインゲームにも適しています。
複数のデバイスを同時に接続する家庭や、リモートワークが多い場合には光回線おすすめです。
ホームルーター
ホームルーターは、モバイル回線を利用したインターネット接続機器で、自宅で簡単に使えるのが特徴です。
速度は光回線に比べて劣ることもありますが、コンセントに挿すだけでWi-Fi環境が整うため、工事不要で手軽に導入できます。
また、引っ越し時にも持ち運びが容易で、新たな接続設定が不要です。
ポケット型WiFi
ポケット型WiFiは、携帯電話のモバイル回線を利用したインターネット回線です。
モバイルルーターを使用することで、外出先でもインターネットが利用できます。
移動が多い人や、固定回線を引くことが難しい環境では、ポケット型WiFiが便利です。
料金プランを比較する
インターネット回線は、事業者によって料金プランが異なります。
月額料金や初期費用(工事費や端末代金など)、割引特典やキャッシュバックなどを比較し、お得に利用できるサービスを選ぶことが大切です。
サポート体制を確認する
インターネット回線を初めて利用するのであれば、サポート体制についても確認しておくべきです。
インターネットがつながらないなどのトラブルが起きた際の対応が良い事業者を選ぶことで、安心して利用することができます。
電話やチャットなど、複数のサポート手段を提供している事業者を選ぶと良いでしょう。
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